災害時用ペダル式人力空圧ポンプの開発
担当 : 塚越 秀行
研究背景
先の阪神大震災直後の被災者救出活動を通じて最も必要とされた機器は、
埋もれている人が出てこられるだけの空間を作るためのジャッキであった
ことが指摘されている。一方、震災直後の悪環境でんは電気、ガス、水道
といった既存のエネルギー経路網が寸断したため、特別なエネルギー
供給源の存在しない環境でジャッキを駆動することが要求されていた。
そのため、人力によって最も効率的にエネルギーを発生させる手段を
明らかにし、その実現のための装置を開発し設備することは次の震災への
備えとして早急に対処すべき課題であると考えられる。
従来まで利用されてきた人力パワーによる空圧ジャッキ駆動方法として、
手動式または足踏み式ポンプによる空圧生成が挙げられる。しかし、
手動ポンプは、1ストロークあたりの吸気量を多く取得できるが、
腕の力は比較的小さいため供給圧力を高くすることは困難であった。
また、足踏み式ポンプは1ストロークあたりの吸気量を多く稼ぐことは
困難であり、その上、体重を支えながらの断続的な上下運動を伴うため
疲労しやすいという欠点を有していた。
研究目的
そこで本研究では、(i)足の大きい運動エネルギーを連続的に
取得できる、(ii)体重を足で支える負担がない、(iii)
「モバイル・ポンプ」として機能し震災時にも手近なところに存在し得る、
などの特徴を有することが可能な自転車漕ぎの運動を利用した
「ペダル式人力ポンプ」を提案し、人力を効率的に空圧エネルギーに
変換する装置の開発を進める。
ペダル式人力ポンプの動画 1 (MPEG-1 / 8.66 MB)
アナウンサーが漕ぐ (MPEG-1 / 15.4 MB)