携帯空圧源を利用した歩行支援のための空圧アシスト肢の開発

担当:呉海帆

研究背景

先行する研究において携帯空圧源「Dry Ice Power Cell」を提案した。本研究ではその提案したDry Ice Power Cellを動力源として利用した新しい歩行支援システム「空圧アシスト肢」を提案する。対象とする使用者は、筋力や平衡感覚は健在であるものの、片方の脚の股関節や膝関節に変形性関節痛などの疾患があり、長時間の屋外歩行が困難な方々である。開発した装置は疾患脚が着地する際に空圧シリンダの柔軟な支持により患者の体重を部分的に分担し、疾患脚及び疼痛関節の負荷を軽減することにより歩行時の痛みを無くすものである。開発した装置は簡単な構造、軽量、着脱便利などの特徴がありながら、携帯空圧源Dry Ice Power Cell の動力で約40%の体重を支持し、1000歩以上の歩行支援が提供できる。開発した装置は平地だけではなく、坂道や階段などの環境でも歩行支援が実現できる。

空圧アシスト肢の構造

空圧アシスト肢は、脚にかかる荷重の一部を携帯空圧源からの空圧で加圧される空圧シリンダによって支えるもので、一本の棒状構造の先にサドルが付いた形をしており、これを股間に挟むだけで簡単に装着することができる。棒状構造内には空圧シリンダおよびロック機構を内蔵しており、荷重支持時には空圧シリンダによる支持を行うとともに、非支持時にはロック機構が解放されるため階段昇降などの際に障害とならない構造となっている。